トラックの車検は乗用車と違う?違いと注意点をわかりやすく解説

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

トラックは仕事で使用される車両が多く、走行距離も長いため、メンテナンスや法的点検が非常に重要です。特に「車検」は、乗用車とは制度や期間、点検内容に違いがあるため、トラックを扱う上では正しい知識が欠かせません。この記事では、トラックの車検が乗用車とどう異なるのか、具体的な違いと注意点をわかりやすく解説します。

トラックと乗用車の車検の基本的な違いとは?

車検(自動車検査登録制度)はすべての車両に義務付けられていますが、トラックには商用車としての特別な区分があります。

項目トラック(商用車)乗用車
初回車検新車登録から2年後新車登録から3年後
2回目以降の車検間隔1年ごと2年ごと
点検項目数多い少ない
使用目的業務用が主私用が中心
法的義務厳格な定期点検義務あり法定12か月点検推奨(義務ではない)

トラックは使用頻度が高く、安全確保がより重視されるため、より短いサイクルでの車検が義務付けられています。


なぜトラックの車検は1年ごとなのか?

トラックは走行距離が長く、積載物による負担も大きいため、車両の劣化が進みやすい特徴があります。そのため、整備不良による事故を防ぐ目的で1年ごとの厳しい検査が法律で定められています。

また、事業用トラック(緑ナンバー)は、自家用(白ナンバー)よりも法的に求められる点検基準が厳格です。国の監督のもとで、安全性・整備記録がしっかり管理されている必要があります。


トラック車検の主な検査項目とは?

項目内容
ブレーキ装置前後ブレーキの効き・パッドの摩耗
排気ガスディーゼル車の黒煙排出量のチェック
足回りタイヤの溝・エア漏れ・ボルトのゆるみ
灯火装置ヘッドライト、ブレーキランプの点灯確認
総重量・積載確認適切な重量範囲内であるか

これらは安全運行を保証するために不可欠な検査項目です。


車検にかかる費用はどのくらい?

トラックの車検費用は、車種や重量、使用形態によって異なります。

車種自家用トラック事業用トラック
小型(2t未満)約7〜10万円約10〜15万円
中型(2〜5t)約12〜18万円約15〜25万円
大型(5t以上)約20〜30万円約25〜35万円以上

法定費用(重量税・自賠責)に加えて、整備費や検査手数料が加算されます。


トラックの車検で注意すべきポイント

1. 定期点検記録の管理が必須

特に事業用車両は、車検時に点検記録簿の提出が求められることが多く、記録が不備だと整備義務違反となる可能性があります。

2. 事前整備の重要性

1年ごとの車検は時間的猶予が少ないため、事前点検やオイル交換などのメンテナンスを習慣づける必要があります。

3. 排ガス規制への対応

都市部で営業するトラックは、排ガス規制への適合も求められます。古いディーゼル車は使用制限を受ける場合があります。


まとめ

トラックの車検は、乗用車よりも短いサイクルで実施され、検査項目や整備義務も厳格に定められています。これは、商用車としての役割や走行頻度を踏まえた安全確保のためです。トラックを保有・運行する上では、1年ごとの車検を見据えた計画的な整備と、法令遵守の姿勢が求められます。業務を止めないためにも、余裕をもって車検準備を進めることが重要です。

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