ドライバーが仕事中に事故を起こした!仕事中の賠償責任とは?

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

配送業務やトラック運転など、日常的に車を使う仕事では「事故のリスク」が常につきまといます。万が一、仕事中に事故を起こしてしまった場合、その責任や賠償は誰が負うのか気になるところです。この記事では、仕事中の交通事故に関する賠償責任の考え方、会社とドライバーそれぞれの立場、そして事故時の正しい対応についてわかりやすく解説します。

仕事中の事故は誰が責任を負うのか?基本的な考え方

業務中の交通事故では、運転していたドライバー本人だけでなく、雇用主である会社にも一定の責任が及ぶ場合があります。

項目内容
使用者責任(民法第715条)従業員が業務中に起こした損害について、会社が賠償責任を負う制度
運転者本人の責任故意や重大な過失があった場合には、個人にも賠償義務が課される
保険対応任意保険や会社加入の自動車保険で補償されるのが一般的
労災適用ドライバー自身のケガに対しては労災保険が適用されることが多い

業務中の事故であれば原則として「会社が第一の責任主体」ですが、例外もあるため注意が必要です。


ドライバー本人に賠償責任が発生するケースとは?

業務中であっても、以下のようなケースではドライバー個人に賠償責任が問われる可能性があります。

ケース内容
飲酒運転・無免許運転故意や法令違反がある場合は、全額自己責任となることが多い
指示に反した私的行動勤務中に私用で運転し事故を起こした場合、業務外と判断されることも
同乗者への損害社員を乗せていた場合、会社と共に運転者も損害賠償責任を問われることがある

明らかな規則違反や職務逸脱があると、会社が補償を拒否する場合もあるため、日常の運転には細心の注意が求められます。


事故を起こした際に取るべき正しい対応とは?

事故を起こしてしまった場合、感情的にならず冷静に対処することが大切です。

対応手順内容
けが人の確認と救護負傷者がいる場合はすぐに救急車を呼び、応急処置を行う
警察への通報交通事故は必ず警察に届け出る(報告義務あり)
会社への連絡速やかに上司または担当部署に連絡し、指示を仰ぐ
相手方とのやり取り冷静に対応し、誤った謝罪や約束はしない(保険対応が優先)
現場写真の記録損傷状況・相手車両・位置関係などをスマートフォンで撮影しておく

これらを適切に実行することで、その後の賠償手続きや社内処理がスムーズに進みます。


会社側が取るべきリスク対策とは?

企業としても、業務中の事故に備えて体制を整えておく必要があります。

対策解説
任意保険の加入対人・対物ともに十分な補償があるか確認し、更新も確実に行う
ドライバー教育安全運転の研修や定期的な運転チェックで事故予防を強化
運転記録の管理デジタコやドライブレコーダーを活用し、安全意識を高める
業務範囲の明確化私用運転や逸脱行動を防ぐために業務指示を明確にする
事故発生時の対応マニュアル作成ドライバーが迷わず行動できる体制づくりが重要

これにより、会社も従業員も安心して業務に取り組むことができます。


まとめ

仕事中にドライバーが事故を起こした場合、原則として会社が「使用者責任」を負いますが、ドライバー本人の行動によっては賠償責任が生じることもあります。万が一に備えて、事故時の対応を正しく理解し、日常から安全運転を徹底することが最も重要です。また、企業側も保険や教育体制の整備を通じて、事故発生のリスクを最小限に抑える努力が求められます。

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