ドライバー志望は注意したい勤務時間!その仕組みと注意点を詳しく解説

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

トラックドライバーの仕事に興味がある方にとって、気になるのが「勤務時間はどうなっているのか」という点です。普通のオフィス勤務とは異なり、運送業界には独自の勤務時間制度があります。本記事では、ドライバーの勤務時間の仕組みとその背景、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。働き始めてから後悔しないために、事前にしっかり確認しておきましょう。

トラックドライバーの勤務時間の基本構造

一般企業と異なる「拘束時間」の考え方

ドライバーの勤務は、出勤から退勤までの「拘束時間」として管理されます。これは、実際に運転している時間だけでなく、待機・荷下ろし・休憩なども含めた時間です。

用語内容
拘束時間出社から退社までのトータル時間(最大13時間原則)
運転時間実際に運転している時間(2日平均で1日9時間まで)
休憩時間勤務の途中で義務付けられた休憩(連続運転4時間以内に30分以上)
休息時間勤務と勤務の間に必要な休養時間(原則8時間以上)

このように、ドライバーには労働基準法とは別に「自動車運転者の労働時間等の改善基準」が適用されています。

勤務時間の代表的なパターン

勤務形態内容特徴
日勤朝〜夕方の時間帯で勤務。近距離配送が多い生活リズムが安定しやすく、体への負担も軽め
夜勤夕方〜翌朝にかけての勤務。深夜手当がつく渋滞が少なく効率的。生活リズムの調整が必要
宿泊勤務長距離運転で途中の休息所に宿泊するケース長時間勤務だが、連続休憩が取れることもある
2日制運行1つの配送に2日かけるスケジュール長距離に多く、休息時間がしっかり取れる

業務内容や配送ルートによって、勤務時間のパターンは大きく変わります。応募前に勤務体系をよく確認することが大切です。

法律で定められた勤務時間の上限

トラックドライバーには「改善基準告示」によって、労働時間や拘束時間の上限が定められています。2024年からは「働き方改革関連法」により時間外労働の制限が強化され、労働環境の改善が進んでいます。

項目規定内容
1日の拘束時間原則13時間以内(最大16時間まで延長可)
1ヶ月の拘束時間293時間以内
1日の運転時間2日平均で9時間以内
休息期間勤務終了後から次の出勤まで最低8時間以上

これに違反する場合、企業側に行政指導や改善命令が出される可能性があります。

勤務時間に関する注意点

待機時間が長くなることがある

荷物の積み下ろしや荷主都合での待機時間が発生する場合があります。これも「拘束時間」に含まれますが、労働時間には計上されないケースもあるため、給与や体力への影響が出やすいポイントです。

長時間労働になりやすい業種もある

宅配、引越し、大型輸送など、一部の業種では繁忙期や不規則な運行により、勤務時間が延びやすくなります。求人票だけではわからないため、事前に業務内容を詳しく確認しましょう。

休憩のタイミングは自己管理

休憩は義務付けられているものの、運転の合間を縫って自分でタイミングを図る必要があります。体調管理や集中力維持のためにも、こまめな休息が重要です。

ドライバーの勤務時間に向いている人の特徴

  • 長時間の運転が苦にならない
  • 一人の時間を楽しめる
  • 自己管理能力がある
  • 規則正しい生活よりも変化を好む
  • 夜型生活に順応できる(夜勤の場合)

体力や集中力だけでなく、自分のペースで行動できる人に向いています。

勤務時間に関するトラブルを防ぐには?

対策項目内容
事前確認の徹底面接時に「拘束時間」「残業の実態」「休日体制」などを確認する
労働契約書の内容確認実際の勤務時間と契約内容が一致しているかをチェックする
勤務記録の保存勤務時間・待機時間をメモしておくと、万一のトラブル時に証拠になる
働きやすい会社を選ぶ働き方改革やデジタコ管理が進んでいる企業を選ぶと、過労リスクを減らせる

まとめ

トラックドライバーの勤務時間は、一般的なサラリーマンとは大きく異なる仕組みで成り立っています。「拘束時間」「運転時間」「休息時間」などのルールが独自に存在し、それを理解せずに就職すると「思っていたよりハードだった」と後悔することもあります。

勤務時間を正しく理解し、自分のライフスタイルや体力に合った働き方を選ぶことが、ドライバーとして長く働くための第一歩です。求人を見る際は、給与だけでなく「勤務時間と働き方」も必ずチェックしておきましょう。

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