転職前に知っておきたい!運送会社が営業停止を受ける行為とは?

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

これから運送業界への転職を検討しているあなたにとって、どの会社が安心して働けるかは非常に重要な問題です。運送会社が受け得る行政処分には、「車両使用停止」「事業停止(営業停止)」「許可取消」の3種類があり、これらは日常の法令遵守レベルによって厳しく左右されます。本記事では、どんな行為が行政処分につながるのか、個々の処分内容と共にわかりやすく解説します。

行政処分の種類と主な違反行為

運送会社に科される行政処分は、大きく分けて以下の3つです。それぞれ対象となる違反の内容と、その結果を押さえておきましょう。

行政処分の種類主な違反事例とその結果
車両使用停止点呼・整備・帳票の記録義務違反、書類の改ざん、点検整備不実施などが対象となり、その車両の運行が一定期間禁止となる。
事業停止(営業停止)運行管理者未選任、乗務時間超過、点呼や整備の未実施、虚偽報告、名義貸しなど、重大かつ継続的な違反が対象となり、営業所単位で活動が停止される。
許可取消上記処分の累積や重大違反行為、改善指導に従わない場合などに適用され、運送事業を継続できない状態に陥る。

処分につながる一般的な違反のパターン

以下の表では、実際に行政処分につながることが多い典型的な違反行為をまとめています。

違反行為例説明
乗務時間・休息時間の法令違反過労を招き、労働時間の上限を超えると安全リスクが高まり、事業停止になるリスクがある。
点呼や記録業務の不実施・改ざん点呼や運行記録、点検記録などの改ざんや怠慢が発覚すれば、信頼性を損ね行政処分の対象となる。
運行管理・整備管理体制の不整備運行管理者・整備管理者を配置せず運行ルールが曖昧になると、事業停止や許可取消の対象となり得る。
名義貸しや虚偽報告・監査拒否実体がない営業所の存在や監査を拒否する行為は非常に悪質とみなされ、重い処分が下される可能性がある。

違反点数制度と累積の影響

行政処分には、違反点数制度も深く関係しています。違反があると点数が営業所ごとに加算され、累積された点数によって処分の重さが変わります。

違反点数の累積状況想定される処分や影響
数点程度の累積軽微な車両使用停止処分や警告で済むことがある。
数十点に達する累積長期の営業停止や複数車両への使用禁止処分となる可能性が高い。
非常に高い累積(例:81点以上)許可取消や公表業者指定など、企業の存続に関わる重大処分の可能性がある。

安全性や法令遵守に対して「継続的に」取り組んでいるかどうかが、処分リスクを回避する鍵になります。


まとめ

転職を考える際、運送会社が安全管理や法令順守への意識をどのように持っているかを確認することは、自分自身の労働環境と将来に直結する重要な検討材料です。行政処分の対象となる行為や処分の深刻度を理解し、転職先企業がどのように違反を未然に防ぎ、繰り返さない仕組みを整えているかをチェックする習慣を持つことで、安心して働ける職場を選びやすくなります。

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