荷物の積み下ろしや建設現場での作業に欠かせない存在である「クレーン車」と「ユニック車」。どちらもクレーン機能を備えた特殊車両ですが、その構造や用途には明確な違いがあります。また、それぞれを運転・操作するには専用の免許や資格が必要です。本記事では、クレーン車とユニック車の違いをはじめ、具体的な用途や必要な免許についてわかりやすく解説します。
クレーン車とユニック車の違いとは?
項目 | クレーン車 | ユニック車 |
---|---|---|
基本構造 | 車体全体がクレーン装置で構成されている | トラックの荷台に小型クレーンが取り付けられている |
主な用途 | 高所作業や重量物の吊り上げ・移動 | 荷物の積み下ろしと運搬の両方を1台で対応 |
操作場所 | クレーン専用の運転席やリモコン | 運転席と操作レバーが一体化していることが多い |
機動性 | 大型・特殊用途向けで狭い現場では不向き | 一般道路も走行可能で柔軟な作業が可能 |
呼び方の違い | 建設業界では「ラフタークレーン」「オールテレーンクレーン」などが該当 | 「ユニック車」は古河ユニック社の商品名に由来する通称 |
ユニック車とは?
ユニック車とは、トラックの荷台に小型クレーンを備えた車両のことを指します。正式には「車両搭載型移動式クレーン」と呼ばれ、主に荷物の積み下ろしや配送現場で活用されます。
特徴 | 内容 |
---|---|
通常のトラックとしての走行も可能 | |
狭い場所でも作業しやすい小回りの効く設計 | |
建設資材や仮設ハウスの搬送によく使われる |
クレーン車とは?
クレーン車は、大型の吊り上げ装置を備えた車両で、特に重機や鉄骨、重量資材の搬入などに使われます。クレーンそのものが主役であり、車体のほとんどをクレーン機能が占めるのが特徴です。
主な種類 | 解説 |
---|---|
ラフタークレーン | 小型・中型クレーンで、建設現場での汎用性が高い |
オールテレーンクレーン | 高速走行と悪路走破性を兼ね備えた大型車両 |
トラッククレーン | トラックに大型のクレーンを積載し、長距離移動に対応可能 |
クレーン車・ユニック車に必要な免許と資格
車両の種類 | 必要な運転免許 | 必要な資格 |
---|---|---|
クレーン車(ラフタークレーン等) | 大型自動車免許または中型免許 | 小型移動式クレーン運転技能講習または移動式クレーン運転士免許 |
ユニック車(4tトラックなど) | 中型免許または準中型免許 | 小型移動式クレーン運転技能講習(吊り上げ荷重1t以上5t未満) |
玉掛け作業がある場合 | 上記に加えて玉掛け技能講習修了が必要 | 必須(荷をワイヤーで吊る作業のため) |
※操作対象の吊り上げ荷重に応じて必要資格が異なるため、実際の業務内容に合わせた取得が必要です。
選び方のポイント
使用シーン | おすすめの車両 |
---|---|
荷物の積み下ろしと運搬を1台でこなしたい | ユニック車 |
重量物の吊り上げや建築現場での作業中心 | クレーン車 |
狭い道路や住宅地での作業が多い | 小型ユニック車またはラフタークレーン |
長距離輸送や大型資材の取り扱い | トラッククレーンやオールテレーンクレーン |
まとめ
クレーン車とユニック車は、どちらもクレーン機能を持つ特殊車両ですが、その構造や使われる現場、必要な免許に明確な違いがあります。使用目的に応じた車両選びと、適切な資格取得が安全かつ効率的な作業には不可欠です。これから建設業界や輸送業界で働こうと考えている方は、それぞれの特性と必要スキルをしっかりと理解し、自身に合った働き方を見つけていきましょう。
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