問題解決能力って?メリットと向上方法について解説

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

ビジネスのあらゆる場面で求められる「問題解決能力」。日々発生するトラブルや課題にどう向き合い、どう乗り越えるかは、個人の評価だけでなく組織全体の成果にも直結します。この記事では、問題解決能力とは何か、そのメリット、そして実務で活かすための具体的な向上方法についてわかりやすく解説します。

問題解決能力とは?

問題解決能力とは、業務上の課題やトラブルに対して、原因を特定し、最適な対策を考え、実行に移す力のことです。単なる思いつきや反応ではなく、「論理的に状況を分析し、建設的な解決策を導くスキル」が求められます。

構成要素内容
状況把握力何が起きているのかを客観的に見極める力
原因分析力問題の背景や本質的な原因を特定する力
解決策の立案力現実的かつ効果的な方法を考える力
実行力解決策を計画的に実行し、改善につなげる力

問題解決能力が求められる理由

ビジネスにおいて、常に「想定外」や「複雑な課題」が発生します。その場しのぎでは対応できない状況を打破するには、論理的思考と実行力を兼ね備えた問題解決力が不可欠です。

背景解説
変化の激しい環境IT化、グローバル化などの影響で、課題の種類が多様化している
自律型人材への期待管理されるのではなく、自分で考えて行動する人が評価される時代へ
チームの成長への貢献課題を共有し、解決する姿勢がチーム力を高める要素となる

問題解決能力が高い人の特徴

特徴内容
事実ベースで判断する感情や憶測ではなく、データや事実から考える習慣がある
仮説を立てて動けるすぐに答えが出ないときでも、論理的な仮説で行動を始められる
冷静に優先順位をつける焦らず、影響範囲と緊急性を見極めて着実に対処する
結果にこだわる実行後の成果や改善点を振り返り、次につなげる意識が高い

問題解決能力を高めるメリット

メリット解説
生産性が向上する問題を早期に発見・解決できるため、ムダが減る
評価されやすい組織に貢献できる人材としてリーダー候補にもなりやすい
キャリアの幅が広がる業種・職種を問わず、応用可能な“汎用スキル”として活かせる
チームに良い影響を与える周囲を巻き込みながら、組織全体の成長を支援できる存在になる

問題解決能力を向上させる具体的な方法

1 現状を正確に把握する

問題の本質を捉えるには、感情や印象ではなく「事実」を丁寧に確認する姿勢が必要です。

方法解説
データ収集売上、問い合わせ数、作業工数など、数値で見る癖をつける
5W1Hでの整理誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どうしたのかを分解する

2 原因を深掘りする「なぜなぜ分析」

表面的な理由にとどまらず、「なぜそれが起きたのか?」を繰り返し深堀りすることで、本当の原因が見えてきます。

ステップ内容
第1問:「なぜ問題が起きたか?」例:納期遅延→作業が遅れた
第2問:「なぜ作業が遅れたか?」例:工程が重複していた
合計5回ほど「なぜ」を繰り返すと、根本原因にたどりつける

3 解決策を複数考える「MECE思考」

一つの案にこだわらず、「漏れなくダブりなく(MECE)」複数の解決策を考えることが重要です。

実践例内容
発想の幅を広げる改善案A〜Eを並列に出し、比較検討する
選定基準を設けるコスト、実行可能性、効果の大きさなどで評価する

4 実行と振り返りでPDCAを回す

問題解決は「やって終わり」ではありません。実行後の振り返りと継続的な改善が成果の質を高めます。

フェーズ内容
Plan(計画)目標と手順を明確にする
Do(実行)スケジュール通りに進め、進捗を共有する
Check(検証)成果を測定し、課題が残っていないかを確認する
Act(改善)次に向けて改善案を取り入れる

問題解決能力を組織で育てるための工夫

工夫解説
社内での成功事例を共有する問題解決のプロセスを見える化し、学び合う文化をつくる
1on1やOJTでの思考支援上司や先輩が「なぜ?」と問いかけながら、考える力を育てる
課題解決型研修の導入実務に即したテーマで演習を行うことで、実践力が身につく

まとめ

問題解決能力は、成果を出すために欠かせない思考と行動の技術です。状況把握から原因分析、解決策の立案、そして実行までの一連の流れを身につけることで、あらゆるビジネスシーンに応用できます。個人の成長だけでなく、チームや組織の発展にもつながるスキルとして、日々の業務の中で意識的に鍛えていきましょう。

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