物流の現場や商品納品の際に使われる「車上渡し」や「軒下渡し」という言葉。どちらも配送方法に関する用語ですが、意味を正しく理解していないと「思っていたサービスと違う」といったトラブルにつながることもあります。この記事では、車上渡しと軒下渡しの違い、それぞれのメリット・注意点についてわかりやすく解説します。
車上渡しとは?
車上渡しとは、配送トラックの荷台上で荷物を引き渡す方式です。ドライバーは荷台から荷物を降ろさず、荷受人が自ら荷下ろし作業を行うのが基本となります。
項目 | 内容 |
---|---|
引渡し場所 | トラックの荷台上 |
荷下ろし作業 | 荷受人が実施 |
荷降ろしに必要な設備 | フォークリフトや人員が必要になる場合もある |
主な利用場面 | 工場・倉庫・建設現場など、荷下ろし体制が整っている現場向け |
費用を抑えたい法人取引でよく選ばれる配送形態です。
軒下渡しとは?
軒下渡しとは、配送ドライバーが荷物をトラックから降ろし、建物の入口(軒先)まで運ぶ方式です。ただし、屋内や設置場所まで運ぶことは通常含まれません。
項目 | 内容 |
---|---|
引渡し場所 | 建物の玄関やシャッター前など |
荷下ろし作業 | ドライバーが実施 |
搬入対応 | なし(原則として屋内搬入は別契約) |
主な利用場面 | 商業施設、オフィス、飲食店など荷下ろしスペースが限られる現場 |
荷受人の負担を減らせるため、中小企業や個人事業者にも利用されやすい形式です。
車上渡しと軒下渡しの違いまとめ
比較項目 | 車上渡し | 軒下渡し |
---|---|---|
引渡しの場所 | トラック荷台上 | 建物前(軒先) |
荷下ろしの責任者 | 荷受人 | ドライバー |
荷下ろし設備 | 荷受人側に必要 | 基本的に不要 |
手間・作業負担 | 荷受人に大きい | 荷受人の負担が少ない |
配送料 | 比較的安い | 車上渡しより割高になる場合がある |
納品時のトラブルや誤解を防ぐためにも、どちらの形式かを事前に確認することが大切です。
選び方のポイントと注意点
車上渡しを選ぶべきケース
・受け取り場所にフォークリフトなどの設備がある
・複数人で荷物の受け取りが可能
・コストをできるだけ抑えたい
注意点:荷下ろしが遅れると、トラックの待機時間に応じた追加料金が発生する場合があります。
軒下渡しを選ぶべきケース
・荷受けの設備や人員が少ない
・建物前までドライバーに運んでほしい
・複数階への搬入や大型商品を扱う場合
注意点:軒下から先への搬入(設置・組み立てなど)は別料金になることが多いため、事前確認が必要です。
まとめ
「車上渡し」と「軒下渡し」は、荷物の引き渡し方法としてのルールの違いにすぎませんが、実務上の手間やコスト、リスクに大きく影響する重要な要素です。配送方法を選ぶ際には、納品先の設備状況や荷受け体制、自社のオペレーションと照らし合わせながら最適な形を選ぶことがポイントです。納品時のトラブルを防ぎ、スムーズな物流運用を実現するためにも、正しい知識を身につけておきましょう。
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