車上渡しって?軒下渡しとの違いは?

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

物流の現場や商品納品の際に使われる「車上渡し」や「軒下渡し」という言葉。どちらも配送方法に関する用語ですが、意味を正しく理解していないと「思っていたサービスと違う」といったトラブルにつながることもあります。この記事では、車上渡しと軒下渡しの違い、それぞれのメリット・注意点についてわかりやすく解説します。

車上渡しとは?

車上渡しとは、配送トラックの荷台上で荷物を引き渡す方式です。ドライバーは荷台から荷物を降ろさず、荷受人が自ら荷下ろし作業を行うのが基本となります。

項目内容
引渡し場所トラックの荷台上
荷下ろし作業荷受人が実施
荷降ろしに必要な設備フォークリフトや人員が必要になる場合もある
主な利用場面工場・倉庫・建設現場など、荷下ろし体制が整っている現場向け

費用を抑えたい法人取引でよく選ばれる配送形態です。


軒下渡しとは?

軒下渡しとは、配送ドライバーが荷物をトラックから降ろし、建物の入口(軒先)まで運ぶ方式です。ただし、屋内や設置場所まで運ぶことは通常含まれません。

項目内容
引渡し場所建物の玄関やシャッター前など
荷下ろし作業ドライバーが実施
搬入対応なし(原則として屋内搬入は別契約)
主な利用場面商業施設、オフィス、飲食店など荷下ろしスペースが限られる現場

荷受人の負担を減らせるため、中小企業や個人事業者にも利用されやすい形式です。


車上渡しと軒下渡しの違いまとめ

比較項目車上渡し軒下渡し
引渡しの場所トラック荷台上建物前(軒先)
荷下ろしの責任者荷受人ドライバー
荷下ろし設備荷受人側に必要基本的に不要
手間・作業負担荷受人に大きい荷受人の負担が少ない
配送料比較的安い車上渡しより割高になる場合がある

納品時のトラブルや誤解を防ぐためにも、どちらの形式かを事前に確認することが大切です。


選び方のポイントと注意点

車上渡しを選ぶべきケース

・受け取り場所にフォークリフトなどの設備がある
・複数人で荷物の受け取りが可能
・コストをできるだけ抑えたい

注意点:荷下ろしが遅れると、トラックの待機時間に応じた追加料金が発生する場合があります。


軒下渡しを選ぶべきケース

・荷受けの設備や人員が少ない
・建物前までドライバーに運んでほしい
・複数階への搬入や大型商品を扱う場合

注意点:軒下から先への搬入(設置・組み立てなど)は別料金になることが多いため、事前確認が必要です。


まとめ

「車上渡し」と「軒下渡し」は、荷物の引き渡し方法としてのルールの違いにすぎませんが、実務上の手間やコスト、リスクに大きく影響する重要な要素です。配送方法を選ぶ際には、納品先の設備状況や荷受け体制、自社のオペレーションと照らし合わせながら最適な形を選ぶことがポイントです。納品時のトラブルを防ぎ、スムーズな物流運用を実現するためにも、正しい知識を身につけておきましょう。

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