ユニック車って?車両の種類や必要な免許についても解説

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

建設現場や物流業務で活躍する「ユニック車」。荷物の積み下ろしと運搬を1台でこなせる利便性の高い車両ですが、実際の構造や運転・操作に必要な免許についてはあまり知られていないことも。本記事では、ユニック車の基本的な仕組みや種類、用途別の特徴、そして運転やクレーン操作に必要な免許までを分かりやすく解説します。

ユニック車とは?

クレーンを装備したトラック型車両

ユニック車とは、トラックの荷台部分に小型クレーン(積載型トラッククレーン)が取り付けられた車両のことです。荷物を自力で積み降ろしできるのが大きな特長で、建材、機械、資材などの運搬に幅広く利用されています。

項目内容
通称ユニック車(「UNIC」は製造メーカーの登録商標)
形状荷台付きトラックにブームクレーンを搭載
主な用途建築現場、配送業務、重量物の搬出入など

ユニック車の主な車両タイプ

種類特徴
小型ユニック車最大積載量3トン未満。住宅街や狭所でも運用しやすい
中型ユニック車最大積載量3〜5トン程度。汎用性が高く建築現場で多用される
大型ユニック車最大積載量10トン以上。大型設備や鋼材の運搬に適している

クレーンのブーム長さや積載量、走行できる道路条件などにより用途が明確に分かれています。


クレーン部の仕組みと機能

部位解説
ブーム(アーム)伸縮式または折りたたみ式。荷物を吊り上げる
フック荷物に引っ掛けて吊り上げる先端部分
アウトリガー安定性を高めるために横に張り出す脚
操作レバークレーンの上下・回転・伸縮を制御する装置

操作性と安全性が高く、現場ごとの荷物に応じた使い分けが可能です。


ユニック車の操作に必要な免許・資格

行為必要な免許・資格
車両の運転車両総重量に応じた運転免許(準中型・中型・大型など)
クレーン操作(吊上げ1トン未満)特別教育の修了が必要
クレーン操作(吊上げ1トン以上)小型移動式クレーン運転技能講習修了証が必要
荷物の玉掛け玉掛け技能講習(1トン以上)または特別教育(1トン未満)

運転と操作の両方に資格が必要であり、未資格者の作業は法律違反になります。


ユニック車が活躍する主な現場

現場活用シーン
建設現場足場材、鉄骨、プレハブパネルの搬入
土木工事管材や仮設機材の搬送・設置
工場・倉庫重量機械や設備の移設・据付け
造園業大型植栽や資材の搬入・設置作業

1人で操作・運搬が完結することから、作業効率と人件費削減の両立が図れます。


使用時の注意点と安全対策

注意点内容
転倒リスクアウトリガー未使用や不整地での作業は大きな危険を伴う
荷重オーバー許容吊り上げ荷重を超えると破損や事故の原因に
操作ミスレバー誤操作による衝突・荷落下に注意が必要
定期点検クレーン部の油圧、フック、ワイヤー等の定期チェックが不可欠

安全教育の徹底と適切なメンテナンスが、事故防止のカギとなります。


まとめ

ユニック車は、荷役作業と運搬を1台で行える多機能な車両であり、建設・物流業界にとって欠かせない存在です。しかし、操作には専門的な知識と資格が必要であり、安全に使用するためには適切な点検と法令遵守が求められます。これからユニック車の導入や運転を検討する方は、種類や資格の違いをしっかり把握したうえで、安全な運用を心がけましょう。

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