EVトラックの充電時間はどのくらい?効率的な充電方法は?

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

脱炭素社会の実現に向けて注目されているEVトラック。しかし、導入を検討する際に気になるのが「充電時間」や「効率的な充電方法」です。業務効率に直結する要素だからこそ、正確な知識と計画が必要です。本記事では、EVトラックの充電時間の目安と、運用をスムーズにするための充電方法について詳しく解説します。

EVトラックの充電時間の目安とは?

EVトラックの充電時間は、主に車両に搭載されているバッテリー容量と使用する充電器の出力によって決まります。以下は充電の種類ごとの目安時間です。

充電方式出力(kW)充電時間(80%目安)備考
普通充電約6〜8kW約8〜12時間主に夜間充電、出力は低め
急速充電約50kW約1〜2時間短時間での充電に適する
超急速充電約150kW〜30〜45分程度高出力対応の車両でのみ利用可能

急速充電器を使えば短時間での充電も可能ですが、設置や運用コストが高いため、使用頻度や運行計画に応じたバランスが求められます。


効率的な充電方法とは?

EVトラックを効率よく運用するためには、単に充電器を設置するだけでなく、タイミングや場所、運行スケジュールを考慮した戦略的な充電が必要です。

1. 夜間の定時充電を活用する

多くの企業では、業務終了後の夜間時間帯を利用して普通充電を行っています。電力使用量が比較的少ない深夜は、電力単価が安く、コスト削減にもつながります。

ポイント内容
時間帯の工夫深夜の電力料金が安い時間に充電する
長時間の充電に対応業務終了から翌朝の始業までの時間を活用
バッテリー負担の軽減急速充電よりも電池の劣化を抑える効果がある

2. デポ型充電の導入

自社敷地内に専用の充電ステーションを設置する「デポ型充電」は、充電渋滞を避け、出発前の満充電状態を安定して確保する方法です。

メリット内容
運行管理との統合が可能車両管理システムと連動した効率的な運用ができる
計画的な充電が実現充電タイミングや順番を事前に設定できる
業務の中断を最小限に抑える移動中に充電する必要がなくなり、無駄な待ち時間が減る

3. 回生ブレーキによるエネルギー回収

走行中の減速時に発生するエネルギーを回収して再利用する機能(回生ブレーキ)をうまく活用することで、充電回数そのものを抑えることが可能です。特に都市部や配送ルートで信号が多い場合に有効です。


運用に合わせた充電戦略の立案が重要

EVトラックの運用を成功させるには、以下のように運行計画と充電戦略を一体化させることがポイントです。

運行スタイル推奨される充電戦略
日中に数回配送を行う急速充電を活用し、昼間に1回短時間の補充充電を実施
長距離輸送が中心高出力充電器を要所に設置、デポ型と併用
定期配送が主毎晩の普通充電でフルチャージを維持、低コスト運用に適する

EVトラック充電の注意点

バッテリー寿命を意識した運用

急速充電を頻繁に行うとバッテリーに負荷がかかり、寿命が短くなる可能性があります。定期的に普通充電をはさみ、温度や残量を適切に管理することが重要です。

インフラ整備の状況を確認

導入前に自社周辺やルート上にどの程度の充電インフラが整っているかを把握することで、運用中のトラブルを防げます。また、自社内に充電器を設置する際は、電力契約容量の見直しも必要になる場合があります。


まとめ

EVトラックの充電時間は使用する充電器の種類によって大きく異なりますが、日常業務に支障が出ないように運行計画に応じた戦略的な充電方法を取り入れることが重要です。夜間充電、デポ型運用、回生ブレーキの活用など、効率的な充電手法を組み合わせることで、コストと業務効率の両立が可能となります。今後のEV化を進める上で、充電に関する最適な運用設計が求められます。

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