緑ナンバーって?取得方法やメリットについて詳しく解説

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

「緑ナンバー」とは、運送業などの事業用車両に取り付けられるナンバープレートです。一般の白ナンバーとは異なり、法的な意味合いや取得手続きに特徴があります。本記事では、緑ナンバーの基本情報から、取得方法、そして活用するメリットまでをわかりやすく解説します。運送業を始めたい方は必見の内容です。

緑ナンバーとは?

事業用としての公的な証明

緑ナンバーは「事業用自動車」を意味し、運送やタクシーなど、対価を得て輸送業務を行う際に必要となります。

区分内容
対象車両トラック、タクシー、バス、運送業の営業車など
登録ナンバーの色背景:緑/文字:白
使用目的有償で人または荷物を運ぶことを主たる目的とする業務
管轄機関地方運輸局、運輸支局

緑ナンバーを取得せずに有償輸送を行うと「白ナンバーの黒ナンバー化」と呼ばれ、違法行為として罰せられる可能性があります。


緑ナンバーの取得条件と必要書類

法人設立や営業所の確保も必要

緑ナンバーは誰でもすぐに取得できるわけではありません。以下のような条件と手続きが求められます。

必要な条件詳細
法人または個人事業主であること法人格または開業届が必要
営業所が確保されていること運輸局の審査対象となり、一定の要件(面積、設備など)を満たす必要あり
車両台数が基準を満たしていること貨物運送の場合、最低5台以上が基本(地域差あり)
運行管理者の設置国家資格保持者を専任で配置し、管理体制を確保しなければならない
自動車車庫の確保保管場所の法的整備(道路法や都市計画法に基づく規定)

提出書類も多岐にわたりますが、主に以下のようなものがあります。

  • 営業所の賃貸契約書または登記簿謄本
  • 運行管理者資格証の写し
  • 使用車両の車検証・リース契約書など
  • 定款または事業計画書

緑ナンバーを取得するメリット

信頼性と事業拡大のカギに

緑ナンバーを取得することで、単なる形式以上のさまざまなメリットが得られます。

メリット解説
法人・事業者としての信頼性向上正式に許可を受けた運送業者であることが第三者に伝わる
取引先が増えやすい法人契約や入札において、緑ナンバーであることが条件となることが多い
車両維持管理の意識向上点検整備や運転管理が義務付けられており、安全性・品質向上につながる
保険料が法人向けで割安になる可能性法人契約や業務用車両に特化した保険が活用できることもある
助成金・補助金の対象になる地方自治体や国の補助制度では、緑ナンバー事業者限定のメニューがある

これらの点から、正式な運送業を目指す場合は緑ナンバー取得が必須と言えます。


緑ナンバー取得までの流れ

ステップごとのチェックが重要

取得の流れは以下の通りです。計画的に準備することが成功のカギとなります。

ステップ内容
1法人設立または個人開業の届け出
2営業所・車庫・車両・人材の準備
3運輸局に貨物自動車運送事業の申請(許可申請)
4書類審査・現地調査・面接等の行政手続き
5許可取得後、車両登録および緑ナンバー交付手続き
6事業開始(運行管理簿や点呼記録の管理義務も開始)

通常、申請から許可までには3〜6か月程度かかるため、余裕をもって準備することが必要です。


緑ナンバー取得時の注意点

運用後の法令遵守も重要

取得後も、以下のような点に留意しなければなりません。

注意点解説
記録管理の徹底日々の点呼記録、運行日報、整備記録などが法令で義務化されている
法定点検や車検の未実施はNG法人車両として管理されるため、管理者責任が厳しく問われる
運行管理者の不在は違反となる一定規模以上の事業では、専任の運行管理者が常駐している必要がある
違反歴の蓄積による許可取消違法運行や労働法違反が続くと、事業許可が取り消されるリスクがある

取得後も、継続的に「法令順守」と「安全管理」を行う意識が重要です。


まとめ

緑ナンバーは、運送業やタクシー業を正式に営むための必須条件であり、取得には多くの手続きと要件が伴います。しかし、信頼性の向上やビジネスチャンスの拡大、経費面でのメリットなど、その価値は非常に大きいです。これから運送業を始めたいと考えている方は、計画的な準備とともに、制度を正しく理解してスムーズな取得を目指しましょう。

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