街中や高速道路でよく見かける「平車(ひらしゃ)」と呼ばれるトラック。箱型の荷台とは異なり、オープンな荷台が特徴的ですが、実際にどんな荷物を運び、どんな種類があるのかをご存知でしょうか。本記事では、平車の基本的な特徴から代表的な種類まで、現場で活躍するトラックの魅力をわかりやすく解説します。
平車とはどんなトラック?
平車とは、荷台の上部に屋根や囲いがない「平らな荷台構造」のトラックのことを指します。英語では「フラットベッドトラック(Flatbed Truck)」とも呼ばれ、建築資材や機械部品など、形や大きさがバラバラな荷物の運搬に適しています。
最大の特徴は荷物の積み下ろしが三方向(後方・左右)から可能である点。これによりフォークリフトなどによる効率的な作業が実現できます。
平車が選ばれる理由とは?
多くの運転手が平車を選ぶ理由は、次のような利点があるためです。
荷物の積み下ろしがしやすい
囲いがないため、クレーンやフォークリフトを使ってどの方向からでも積み降ろし可能です。特に長尺物や重量物の運搬には最適とされています。
荷台の高さが低く作業が安全
他の車種と比べて荷台の高さが低いため、作業中の落下事故リスクも軽減できます。荷締め作業も比較的スムーズです。
平車の代表的な種類
平車にも用途や荷物の種類に応じていくつかのバリエーションがあります。それぞれの特徴を理解することで、適した車両を選びやすくなります。
主な平車の種類一覧
種類 | 特徴と用途 |
---|---|
小型平ボディ | 普通免許でも運転可能。日用品や小口配送に向く |
中型平ボディ | 建材や家具などを運ぶ汎用タイプ。都市部の配送でも活躍 |
大型平ボディ | 重量物・長尺物を積載できる。大型機械や鋼材輸送に対応 |
セミトレーラー | 連結車両で大量輸送に対応。港湾輸送や工場間輸送で使用される |
用途によっては、荷台にウインチやクレーンを搭載したタイプもあります。
平車で運ばれる代表的な荷物とは?
平車はその構造上、箱型トラックでは運びにくい荷物を中心に運搬します。
よく運ばれる荷物の例
- 建設資材(鉄骨、足場、木材)
- 機械類(発電機、重機パーツ)
- パレットに積まれた雑貨類
- 農業用機械や大きな農産物
これらの荷物はサイズや形が不定で、箱車では対応が難しいため、平車の需要が高まっています。
平車の仕事で求められるスキル
平車を扱うには運転技術以外にもいくつかのスキルや注意点があります。
平車に必要なスキルと知識
- 荷締め技術(ロープ、ラッシングベルトの使用)
- クレーン操作の資格(ユニック付き車両)
- フォークリフトや玉掛けの知識
- 荷物の重心を意識した積載技術
これらの技術は安全運行と荷崩れ防止に直結するため、企業側も研修を用意していることが多いです。
平車運転手の働き方と需要
平車は建設業界や製造業との関わりが深く、常に安定したニーズがあります。特に地方や物流拠点では、平車ドライバーが重宝される傾向にあります。
平車ドライバーの特徴
- 早朝や日中の勤務が多く、夜勤が少ない
- 長距離・中距離配送が中心
- 力仕事があるが、その分高収入の案件も多い
大型免許や特定の資格を取得していると、選べる案件の幅も広がります。
平車と他のトラックの違いを比較
他のトラックと比べた際の平車の特徴を以下にまとめました。
車種 | 特徴 |
---|---|
平車 | 荷台がオープン。積み下ろし自由度が高い |
ウイング車 | 側面開閉型。天候に強く荷物が守られる |
箱車 | 荷物が密閉され安全。家電や食品配送向け |
アルミバン | 軽量で頑丈。運送業界では標準的な車種 |
荷物の性質や作業環境に応じて、最適な車種を選ぶことが大切です。
まとめ
平車は構造がシンプルで、積み下ろしの自由度が高く、トラック運転手にとっては扱いやすい車種の一つです。運ぶ荷物や作業内容に応じて、小型から大型まで幅広い選択肢があり、建設や製造業界を中心に高い需要があります。これから運送業界で働くことを検討している方や、新たな車両選びを考えている事業者にとって、平車は実用性と汎用性を兼ね備えた選択肢といえるでしょう。
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