トラック運転手必見!灯火装置と方向指示器の点検方法とは?

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

安全運転を支える基本、それが「灯火装置」と「方向指示器」の点検です。日々の業務を支障なく行うためには、出発前の確実なチェックが欠かせません。本記事では、トラック運転手が知っておくべき灯火装置と方向指示器の点検方法をわかりやすく解説します。

灯火装置と方向指示器が果たす重要な役割

視認性と意思表示の要となる装置

トラックのような大型車両では、視認性と意思表示が命を守る鍵となります。その中心となるのが灯火装置と方向指示器です。前方・後方・側面すべてに装備されたランプ類は、走行中だけでなく停車時や夜間においても周囲の安全確保に直結します。

特に方向指示器は「どこに進むのか」を伝える唯一の手段であり、周囲の歩行者や車両にとっては非常に重要な情報です。これらが正常に作動していない場合、事故リスクは大幅に高まります。


点検の基本:灯火装置と方向指示器はいつ確認すべきか?

出発前点検が義務であり基本

道路運送車両法に基づき、事業用トラックの運転手には出発前点検が義務付けられています。その中には灯火装置・方向指示器の点灯・点滅の確認が含まれています。

点検タイミングとして適切なのは以下の通りです。

  • 毎日の出庫前
  • 長距離運行前
  • 灯火装置に衝撃を受けた後
  • 電球交換後

これらのタイミングで確実に点検することで、重大事故や違反のリスクを防ぐことができます。


灯火装置の点検方法

各部位を目視と操作でチェック

灯火装置には複数の種類があり、それぞれの役割と点検ポイントがあります。以下の表で、代表的な灯火装置とその点検方法を整理しました。

灯火装置の種類点検方法
ヘッドライトロービーム・ハイビーム両方の点灯確認。レンズの汚れや曇りも確認する
ブレーキランプペダルを踏み込み、後方から点灯状況を確認(他者に協力してもらう)
テールランプ夜間点灯の状態を確認。赤色に異常がないかも重要
ナンバー灯ナンバープレート全体が照らされているかを目視

点検は可能であれば二人一組で行い、ブレーキや後方ランプは他人に見てもらうと確実です。


方向指示器の点検方法

正しく点滅するか、左右すべてを確認

方向指示器は、進行方向の意思を示すためのものです。運転者自身の安全だけでなく、周囲の交通参加者への配慮としても重要です。

点検時のポイントは以下のとおりです。

  • 左右の前後すべてが正しく点滅するか確認
  • 点滅速度に異常がないか(異常に速い場合は球切れの可能性あり)
  • カバーに割れや色褪せがないか

特に球切れの場合、運転席からは気づきにくいので、点滅の早さの変化に注意することが重要です。


点検不備で発生するトラブルと罰則

安全だけでなく法令違反のリスクも

灯火装置や方向指示器の点検を怠ると、以下のようなトラブルや罰則に直結します。

  • 方向指示器不点灯による追突事故
  • ブレーキランプの不点灯による後続車の誤判断
  • 故障車両と判断されるリスク
  • 整備不良として行政処分・点数加算

実際に、整備不良車両による事故は毎年一定数報告されています。点検を怠った結果、他者を巻き込む事故につながることもあるため、日常的な確認が重要です。


効率的な点検を習慣化するコツ

毎日のチェックを「負担」ではなく「流れ」に変える

点検作業は短時間で終わるものですが、つい後回しにされがちです。そこで、効率的に点検を行うには以下のような工夫が有効です。

  • 点検リストを車両に常備する
  • 点検順をルーチン化し、迷わずにチェックできる流れをつくる
  • 点検時刻を毎日同じ時間に固定する

点検を「やらなければならない作業」ではなく、「運転前の流れ」として習慣化することで、抜け漏れが防げます。


まとめ

灯火装置と方向指示器は、トラック運転の安全を支える最重要項目です。日々の点検を怠ることなく、確実に機能する状態を保つことが、事故防止・法令遵守の第一歩となります。

出発前にすべての灯火と方向指示器が正しく点灯・点滅するかを確認するだけで、トラブルの多くは防げます。時間にすれば数分、しかしその数分が命を守る判断につながります。

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