建設現場や物流業務で活躍する「ユニック車」。荷物の積み下ろしと運搬を1台でこなせる利便性の高い車両ですが、実際の構造や運転・操作に必要な免許についてはあまり知られていないことも。本記事では、ユニック車の基本的な仕組みや種類、用途別の特徴、そして運転やクレーン操作に必要な免許までを分かりやすく解説します。
ユニック車とは?
クレーンを装備したトラック型車両
ユニック車とは、トラックの荷台部分に小型クレーン(積載型トラッククレーン)が取り付けられた車両のことです。荷物を自力で積み降ろしできるのが大きな特長で、建材、機械、資材などの運搬に幅広く利用されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通称 | ユニック車(「UNIC」は製造メーカーの登録商標) |
| 形状 | 荷台付きトラックにブームクレーンを搭載 |
| 主な用途 | 建築現場、配送業務、重量物の搬出入など |
ユニック車の主な車両タイプ
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 小型ユニック車 | 最大積載量3トン未満。住宅街や狭所でも運用しやすい |
| 中型ユニック車 | 最大積載量3〜5トン程度。汎用性が高く建築現場で多用される |
| 大型ユニック車 | 最大積載量10トン以上。大型設備や鋼材の運搬に適している |
クレーンのブーム長さや積載量、走行できる道路条件などにより用途が明確に分かれています。
クレーン部の仕組みと機能
| 部位 | 解説 |
|---|---|
| ブーム(アーム) | 伸縮式または折りたたみ式。荷物を吊り上げる |
| フック | 荷物に引っ掛けて吊り上げる先端部分 |
| アウトリガー | 安定性を高めるために横に張り出す脚 |
| 操作レバー | クレーンの上下・回転・伸縮を制御する装置 |
操作性と安全性が高く、現場ごとの荷物に応じた使い分けが可能です。
ユニック車の操作に必要な免許・資格
| 行為 | 必要な免許・資格 |
|---|---|
| 車両の運転 | 車両総重量に応じた運転免許(準中型・中型・大型など) |
| クレーン操作(吊上げ1トン未満) | 特別教育の修了が必要 |
| クレーン操作(吊上げ1トン以上) | 小型移動式クレーン運転技能講習修了証が必要 |
| 荷物の玉掛け | 玉掛け技能講習(1トン以上)または特別教育(1トン未満) |
運転と操作の両方に資格が必要であり、未資格者の作業は法律違反になります。
ユニック車が活躍する主な現場
| 現場 | 活用シーン |
|---|---|
| 建設現場 | 足場材、鉄骨、プレハブパネルの搬入 |
| 土木工事 | 管材や仮設機材の搬送・設置 |
| 工場・倉庫 | 重量機械や設備の移設・据付け |
| 造園業 | 大型植栽や資材の搬入・設置作業 |
1人で操作・運搬が完結することから、作業効率と人件費削減の両立が図れます。
使用時の注意点と安全対策
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 転倒リスク | アウトリガー未使用や不整地での作業は大きな危険を伴う |
| 荷重オーバー | 許容吊り上げ荷重を超えると破損や事故の原因に |
| 操作ミス | レバー誤操作による衝突・荷落下に注意が必要 |
| 定期点検 | クレーン部の油圧、フック、ワイヤー等の定期チェックが不可欠 |
安全教育の徹底と適切なメンテナンスが、事故防止のカギとなります。
まとめ
ユニック車は、荷役作業と運搬を1台で行える多機能な車両であり、建設・物流業界にとって欠かせない存在です。しかし、操作には専門的な知識と資格が必要であり、安全に使用するためには適切な点検と法令遵守が求められます。これからユニック車の導入や運転を検討する方は、種類や資格の違いをしっかり把握したうえで、安全な運用を心がけましょう。





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