引越業務や配送業務などで広く活躍する「2トントラック」。コンパクトながら積載量があり、小回りの効く便利な車両として人気ですが、「運転するにはどの免許が必要?」「普通免許でも乗れるの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、2トントラックの分類や必要な免許の種類、それぞれの免許で運転できる範囲について分かりやすく解説します。
2トントラックとは?
2トントラックとは、積載量が2トン前後の中型貨物自動車のことを指します。街中でよく見かける小型の荷台付きトラックで、主に以下のような用途で使用されています。
- 引越業者による家庭の荷物運搬
- 配送業者による荷物の集配
- 工務店などの資材輸送
- 商店や飲食店の店舗配送
サイズとしては全長5〜6メートル程度、最大積載量はおおむね2トン以下となるため、普通自動車より大きく、大型トラックよりは小型の扱いとなります。
2トントラックの分類と免許の関係
トラックの運転には、「車両総重量」「最大積載量」「乗車定員」によって免許の種類が分かれます。
免許の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 |
---|---|---|---|
普通免許 | 3.5t未満 | 2.0t未満 | 10人以下 |
準中型免許(限定) | 7.5t未満 | 4.5t未満 | 10人以下 |
準中型免許 | 7.5t未満 | 4.5t未満 | 10人以下 |
中型免許 | 11t未満 | 6.5t未満 | 11人以上〜29人以下 |
この中で2トントラックに該当する車両のほとんどは、**普通免許または準中型免許(限定あり)**で運転が可能です。
普通免許で運転できる2トントラックとは?
普通免許で運転できるのは、次の条件を満たす2トントラックです。
- 車両総重量が3.5トン未満
- 最大積載量が2.0トン未満
- 乗車定員が10人以下
つまり、「小型の2トントラック」または「1.5トントラック」程度であれば、普通免許でも運転が可能です。ただし、積載量2.0トンを超えるようなモデル(いわゆる「フル2トン」)は、準中型免許以上が必要となるケースがあります。
準中型免許が必要なケース
以下のような車両を運転する場合には、準中型免許が必要になります。
- 最大積載量が2.0トンを超える
- 車両総重量が3.5トンを超える(ただし7.5トン未満)
特に、法人向けの引越用車両や、荷台が長く補強されているタイプのトラックは、見た目が似ていても「準中型免許が必要な2トントラック」であることがあるため注意が必要です。
平成29年の免許制度改正にも注意
2017年(平成29年)3月12日以降、運転免許制度に変更が加えられ、「準中型免許」が新設されました。これにより、
- 2017年3月11日以前に普通免許を取得した人:旧制度により最大積載量2.0t超の車両も運転可能な場合がある
- 2017年3月12日以降に普通免許を取得した人:最大積載量2.0t未満の車両しか運転できない
という違いが生まれています。自分の免許証で運転できる車両を確認するには、免許証の裏面記載や、免許区分表をチェックすることが大切です。
免許取得に必要な条件と流れ
準中型免許を取得するための条件と流れは以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
年齢制限 | 満18歳以上 |
視力 | 両眼で0.8以上、かつ片眼それぞれ0.5以上 |
取得方法 | 教習所での講習→修了検定→学科試験 |
教習時間目安 | 約30〜40時間(所持免許により変動あり) |
費用目安 | 20万円〜30万円(教習所により異なる) |
働きながら取得する場合は、教習所の夜間講習や短期集中プランの活用も有効です。
まとめ
2トントラックを運転するには、車両の仕様と自分の免許の区分をしっかり確認することが大切です。小型であれば普通免許でも運転できますが、積載量が増えると準中型免許以上が必要になります。引越業や配送業への就職を検討している方は、今のうちにどの免許が必要かを確認し、必要に応じて取得を進めておくと、より幅広い業務に対応できるでしょう。
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