建設現場や物流の現場で活躍する「ユニック車」は、荷物の積み下ろしと運搬を1台で行える便利な車両です。その実用性を左右する大きなポイントが「つり上げ荷重」です。本記事では、ユニック車のサイズごとに異なるつり上げ荷重の目安や、作業時に気をつけたいポイントを詳しく解説します。
つり上げ荷重とは?
クレーンで安全に持ち上げられる荷物の重さの上限
つり上げ荷重とは、ユニック車に搭載されたクレーンが安全に吊り上げられる最大重量を指します。これは車両のサイズやクレーンの種類、ブームの伸縮状態によって変化します。
項目 | 内容 |
---|---|
基準位置 | ブームを最大限縮めた状態で垂直に吊った時の最大荷重 |
制限理由 | 車両の転倒防止、クレーン部の機械的制約、安全基準による制限 |
ユニック車のサイズ別・つり上げ荷重の目安
車両区分 | 最大つり上げ荷重の目安 | 用途例 |
---|---|---|
小型ユニック車(2t~3t車) | 約990kg~1.5t前後 | 住宅建材、小型機械、園芸資材など |
中型ユニック車(4t~5t車) | 約2t~2.9t前後 | 鉄骨資材、仮設足場、機器類など |
大型ユニック車(10t車以上) | 約3t~5t以上 | プレハブ、重量機械、大型鋼材など |
車両の積載量やクレーン仕様によって、同じ車格でもつり上げ荷重が異なることがあります。
ブームの長さと角度で荷重はどう変わる?
ブームが伸びるほどつり上げ可能な重さは減少
クレーンのブーム(アーム)が伸びたり角度が浅くなったりするほど、つり上げ荷重は減少します。これは荷重が遠くにかかるほど、車両のバランスを崩しやすくなるためです。
ブーム長さ | 最大つり上げ荷重(例) |
---|---|
2.5m | 約2.9t(最大荷重) |
5.0m | 約1.4t |
7.0m | 約0.8t |
メーカーの仕様表を確認し、作業時のブームの伸縮・角度に合わせて荷重管理を行う必要があります。
運用時の注意点と安全対策
注意点 | 解説 |
---|---|
過積載の防止 | つり上げ荷重を超える荷物の吊り上げは危険で違法行為 |
アウトリガーの展開 | 車両の転倒防止のため必ず水平で強固な地面で展開する |
玉掛け作業の適正実施 | 荷物のバランス、吊り方に不備があると落下の危険あり |
クレーンの定期点検 | ワイヤー・フック・油圧系統に不具合がないか常に確認 |
安全作業には運転・操作の資格だけでなく、実務に即した技術と確認体制が欠かせません。
まとめ
ユニック車のつり上げ荷重は、車両のサイズやクレーンの構造、ブームの長さによって大きく変化します。現場ごとに適した車種と仕様を選び、安全基準を守った運用を徹底することが、事故のない作業環境を築く鍵です。荷重管理は「目安」ではなく「数値と現場判断」に基づくことが重要です。
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