8トントラックの運転に必要な免許とは?注意点について解説

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

物流や建設現場などで活躍する8トントラック。運転にあたっては、普通免許では対応できないため、特定の運転免許が必要となります。しかし「中型免許があれば大丈夫なのか」「改正前に取得した免許では運転できるのか」など、疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。本記事では、8トントラックに必要な免許の種類や取得条件、運転時の注意点を詳しく解説します。

8トントラックとはどのような車両か

8トントラックとは、車両総重量が8トン未満または最大積載量が5トン未満の中型サイズのトラックを指します。配送業、建設業、引越し業界などで広く使用されており、普通自動車よりもはるかに大きな車体と荷物を扱うため、特別な運転技能が求められます。

車両の例としては、2t車より一回り大きく、配送業務では中距離輸送に多く使われます。また、箱型・平ボディ・ウィング車などバリエーションも多く、積載量や荷台の形状によって業種ごとに使い分けられています。

そのサイズゆえに道路での取り回しや駐車、積み降ろしの際には注意が必要であり、専門的な知識と操作技術が求められます。


8トントラックの運転に必要な免許の種類

8トントラックを運転するには「中型免許(8t限定含む)」または「準中型免許」「大型免許」のいずれかが必要です。ただし、取得時期や限定条件によって運転可能な範囲が異なるため注意が必要です。

免許の種類運転可能な車両備考
準中型免許(限定なし)総重量7.5t未満・積載4.5t未満18歳以上で取得可能
中型免許(8t限定)総重量8t未満・積載5t未満普通免許からの特例。2007年6月1日以前の取得者など
中型免許総重量11t未満・積載6.5t未満満20歳以上・運転経験2年以上が必要
大型免許全ての大型車両8t以上の車両も運転可、業務用として多用される

特に「中型免許(8t限定)」は、2007年6月1日の法改正前に普通免許を取得した人が対象であり、そのまま8トントラックの運転が可能です。反対に、法改正後に普通免許を取得した人は、準中型または中型免許の取得が別途必要となります。


免許取得時の条件と費用の目安

8トントラックを運転可能な免許を取得するためには、年齢や運転歴などの条件があります。以下の表に主要免許の取得条件と、一般的な費用感をまとめました。

免許の種類年齢条件運転歴教習所費用の目安
準中型免許満18歳以上不要約25万〜30万円
中型免許(限定なし)満20歳以上普通免許取得後2年以上約30万〜35万円
大型免許満21歳以上中型免許取得後2年以上約35万〜45万円

教習期間は通常2週間〜1か月程度です。企業に勤めている場合、資格取得支援制度が用意されていることもあるため、費用面の不安がある場合は活用を検討するとよいでしょう。


8トントラックを運転する際の注意点

8トントラックは車両が大きくなる分、普通車とは異なる感覚での運転が必要になります。以下の点に注意する必要があります。

  1. 車両感覚の違い
     長さ・高さ・幅が大きいため、右左折時やバック時には死角が増え、巻き込みや接触事故のリスクが高まります。サイドミラー・補助ミラーの活用が欠かせません。
  2. 制動距離の長さ
     車両総重量が増えるため、制動距離も長くなります。ブレーキ操作は早めを心がけ、車間距離を十分に確保しましょう。
  3. 積載重量の管理
     最大積載量を超えると道路交通法違反となるため、適正な積載管理が必要です。また、偏った積載はハンドリングに影響を及ぼす恐れもあります。
  4. 駐車スペースの確保
     一般的な駐車場に入れないケースも多いため、配送先での事前確認やトラック専用の駐車場を活用する必要があります。
  5. 高速道路・一部一般道での制限
     一部道路では車両総重量により通行が制限されている場合があるため、事前にルート確認が重要です。

法改正と運転可能範囲の違いに注意

2007年と2017年の免許制度改正により、普通免許で運転できる車両の範囲が縮小されました。これにより、現在普通免許を取得しても8トントラックは運転できない仕組みになっています。

以下は法改正前後の免許と運転範囲の違いをまとめた表です。

取得時期普通免許の運転範囲特記事項
2007年5月以前8t限定中型相当(8t未満可)現在でも8tトラック運転可
2007年6月〜2017年3月5t限定準中型相当特定条件下で5t車まで可
2017年4月以降3.5t未満までそれ以上は準中型以上が必要

現在、8tトラックを新たに運転するには「準中型(限定なし)」または「中型免許(限定なし)」以上が必要です。


まとめ

8トントラックは中型に分類され、普通免許では運転できない車両です。運転するには法改正の影響や免許区分を理解したうえで、適切な免許を取得する必要があります。特に中型免許(8t限定)や準中型免許の取得タイミングによって、運転可能な車両の条件が変わる点に注意が必要です。

また、運転には高度な技術と安全意識が求められます。運転スキルだけでなく、法令や荷物管理、道路状況への理解も欠かせません。安全で確実な運行を心がけ、自身のスキルと免許範囲に合った運転を徹底しましょう。

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