トラックのファンベルトを交換する目途は?費用はどのくらい?

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

トラックのエンジンや冷却系統に欠かせない部品の一つがファンベルトです。消耗品であるファンベルトは、一定期間での交換が必要ですが、「いつ交換すればいいのか」「どのくらいの費用がかかるのか」が分からないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、ファンベルトの交換時期の目安や症状、交換費用について詳しく解説します。

ファンベルトとは?トラックにおける役割と重要性

ファンベルトは、エンジンの回転を利用してさまざまな部品に動力を伝えるゴム製のベルトで、以下のような機能に関与しています。

機能解説
冷却ファンの駆動ラジエーターを冷却するファンを回すことで、エンジンのオーバーヒートを防ぐ
発電機(オルタネーター)バッテリーへの充電や電装系統の電力供給に関わる
エアコンコンプレッサーエアコン機能を動作させる圧縮機の駆動
パワステポンプハンドル操作を軽くするパワーステアリング機能のサポート

ファンベルトが切れたり緩んだりすると、エンジン停止や走行不能になる可能性もあるため、定期的な点検・交換が欠かせません。


ファンベルトの交換時期の目安はどれくらい?

ファンベルトは経年劣化するため、走行距離や使用年数に応じて交換が必要です。

基準目安
走行距離の目安約5万〜10万キロごとに交換推奨(車種や使用状況により前後)
年数の目安3年〜5年を目安に点検・交換を検討
点検タイミング定期点検や車検時にあわせてチェックするのが理想

トラックは長時間・長距離を走行するため、乗用車よりも早く劣化するケースが多く、よりこまめな点検が必要です。


交換が必要なファンベルトの症状とは?見逃してはいけないサイン

ファンベルトが劣化すると、目視や音で分かる症状が現れます。早期発見が重大トラブルの防止につながります。

症状・兆候解説
キュルキュルという異音エンジン始動時や加速時に発生。ベルトの滑りや緩みのサイン
ひび割れ・摩耗表面のゴムに裂け目や削れが見える場合、劣化が進行している証拠
張りの緩み指で押した際にベルトが大きくたわむ場合、テンションが不足している可能性がある
電装系の不調バッテリー上がりやライトの暗さなど、発電機の動作不良が間接的に現れることもある

これらの症状に気付いたら、すぐに整備工場で点検を受けることが重要です。


ファンベルトの交換にかかる費用はどのくらい?相場を確認しよう

ファンベルトの交換費用は、車種や工場の規模、部品の種類によって幅があります。

項目費用の目安(税別)
部品代(ベルト1本)2,000円〜5,000円程度
工賃5,000円〜10,000円程度(ベルトの本数が増えると工賃も増加)
合計費用約7,000円〜15,000円程度が相場

ファンベルトは1本だけでなく、複数本使用されている車種もあるため、セットでの交換が推奨される場合もあります。また、テンショナーやプーリーなどの関連部品も一緒に交換すると、追加費用が発生するケースもあります。


ファンベルト交換を怠るとどうなる?放置のリスクとは

ファンベルトの劣化や断裂を放置すると、以下のような深刻なトラブルに直結するリスクがあります。

トラブル内容発生の可能性と影響
オーバーヒート冷却ファンが動かずエンジン温度が急上昇。最悪の場合エンジン焼き付きへ
電装系の停止バッテリーが充電されず、ライト・ナビ・エアコンなどが動作不良に陥る
エアコンが効かないコンプレッサーが作動せず、夏場の快適性に大きな支障
ハンドルが重くなるパワステ機能停止により、ハンドル操作が困難になり安全運転に支障

小さな部品ですが、ファンベルトは車両の動作に大きな影響を与えるパーツです。早めの対応が修理コストや事故防止にもつながります。


まとめ

トラックのファンベルトは、走行距離5万〜10万キロ、または使用年数3〜5年を目安に交換が必要な消耗部品です。放置すると、エンジントラブルや電装系の不具合といった重大なリスクにつながるため、日頃からの点検と早めの交換が重要です。

費用相場は7,000円〜15,000円程度と比較的リーズナブルなので、異音や劣化の兆候を感じたら迷わず整備工場へ相談することをおすすめします。

車両のコンディションを保つためにも、ファンベルトは定期的なチェックと計画的なメンテナンスを心がけましょう。

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